概略
ワタシノセナカとは
自己肯定感が低いという日本人。そんな日本人でも個性を活かし、第一線で活躍している大人は意外といます。
彼らは、いったいどうやって自己を肯定し、活躍に結びつけているのでしょうか。彼らが、どのように自己と向き合い、自己を知り、自己を認めているのかに迫るインタビューです。
読む人に何かしらの気づきを提供できれば幸いです。
プロフィール
東京都認可保育園「森の保育園」
株式会社育児サポートカスタネット代表取締役
社会福祉法人美徳杜理事長
長野 眞弓 様
昭和34年1月大阪府堺市に生まれる。 神戸保育専門学院を卒業後、保育士となる。 保育園、児童館、児童施設など勤務。 1996(平成8)年、大田区認定家庭福祉員として家庭保育開設。 2006(平成18)年、東京都認証保育所「森の保育園」開設。 翌年法人化し、株式会社育児サポートカスタネット代表取締役就任。 2018(平成30)年、認可保育園となる。 同年、フリースクール「美徳杜」設立、代表就任。 社会福祉法人美徳杜設立、多機能型障害者就労支援施設開設。理事長兼任施設長就任。現在に至る。
メンバーの個性や多様性を活かすための考えや取り組み事例(長野眞弓様のケース)
料理が自己肯定感に影響する
私はずっと、保護者に合わせた保育施設を目指してきました。
その中で、働くお母さんに合わせて必要な支援をしていくための一時保育施設を、この度、カバン・ド・レザンで実現しました。
必要な支援とは、ただ預かったり送迎したりするだけではなく、お母さんに子育てのスキルを学んでもらうことを大切にしています。
そうすることで、一人で抱え込んでいたお母さんが楽になり、子どもへの虐待なんかも減っていくんです。
例えば、お母さんは「自分は料理が下手だ」と思っていれば、そのお母さんは自己肯定感が下がっていってしまうんです。
そこから、少しずつ自信や誇りが失われ、その矛先が最終的に子供に向いてしまう。
そういった虐待を減らしていきたいと考えています。こどもの口に入る食べ物にもこだわっていて、日本では珍しいビーガンを給食に出しています。
代謝や免疫力も増して、身体そのものも健康になっていく、これをお母さんにも実感してもらいながら、親子共に心身ともに健康になっていけたらと思っています。
さらに、ここでは、一時保育(学童保育)だけでなく、不登校の中高生などの駆け込み寺にもなっています。
子供の死因でワースト3に自殺が入っているこの国で、子どもへの直接的な支援も必要と考えているからです。
最終的に子育て支援施設は、交番のように、24時間駆け込める児童相談所のような機能に発展していくべきと考えていますので、まだまだやらないといけないことはたくさんあると思っています。
「そのままで良いんだよ」は危険ワード
一時期、鹿児島でフリースクールをやっていたんですが、お子さんを預かって、日光を浴びて、自然に触れて、心身ともに健康を取り戻すサポートをしていくんです。親の育て方が悪かったわけでもなく、何かに依存してしまっていることが多いんですよね。ゲームとかお菓子とか。
その子供たちと関わっていく中で分かったことがあるんです。
それは、ゲームが好きなことやお菓子が好きなこと自体は否定することじゃないとして、その子たちに「そのままで良いんだよ」と伝えると、伝えなかった子供に比べて不登校が長引いてしまうんです。
むしろ、自分が依存症であることに気づき、認められると改善が早いんです。この中で大切なことは、そのこどもの“存在”を認めること、そして、こんな素敵なところがあると伝えることで“承認”と“称賛”を行うことです。
実はそこから先がもっと大切で、大人側の観察力が大事になってきます。
子どものちょっとした個性に目を向けるんです。これはお母さんにも要求するようにしていますが、もちろん、そのお母さんも私はハグします。できれば、お父さんがお母さんをハグすることも大事なんですけどね。
想いのある人が集まるとぶつかるのは当たり前
自分はリーダーとして、常に「誰のために何のためにやろうとしているのか?」を大切にするようにしています。
当社で良く出しているワードは「この瞬間にも3歳の虐待されているお子さんが待っている」です。
そのために自分たちは何ができるか?何をすればよいか?常に共通の目標にベクトルを合わせるようにしてコミュニケーションを取っています。
当社では月一回に全体会議がありまして、そこで毎回私たちの目的を伝えています。
そして、各リーダーとは週に一回熱い語り合いをするようにしています。
リーダーですので、お互いに意思や想いが強いんですよね。
だから当然ぶつかることも多い。当たり前ですが、人それぞれ性格は違うんですよね。ある種ジグゾーパズルに見立てて、違いを楽しむ気概で臨んでいます。
また、共通の目的に向かった未来志向の話し合いになるよう心がけています。
例えば、「虐待の子を減らすには何ができるか?」「今働いてくれていうる人を幸せにするにはどうしたらよいか?」の問いをベースに語り合うようにしています。また、メンバーとも30分手を止めて話す時間を作る、遠慮して言いづらい関係になりやすそうなメンバーには、言える時間を作る。事業所が4か所ありますが、日々現場を巡回してそんなことをやっています。
私は心理学を学んだこともあり、等身大の自分を良く分かっているつもりです。
その中で、私は最高のリーダーにはなれないとは思っていますが、最高のチームワークは作れる。
そう信じて、素晴らしいメンバーとともに、日々よりよい子育て支援のカタチを追い求めて協働しています。
私たちオトナノセナカでは、多様性に触れながら、自身の個性に気づき、自分と相手(家族、友達、同僚等)を受け入れるワークショップや、個性に触れあうチームビルディングなど、各種団体や法人様向けに実施しております。
ご興味ある方は、お問合せよりご連絡ください。
インタビューワー&記事を書いた人
事務局メンバー やぎちゃん(柳橋 歩)
1児の男の子のパパ
事務局メンバー ぼっちさん(大久保 剛)